第5部 『迷宮島編』
岩の壁にあいている穴。付近には何かのレールとその穴。穴から光。と、そこから何か細長い箱が落ちてくる。それが開き、中にはセーラー服の少女。
『20世紀に大きな戦争がありました。それは、人間とモンスターとの全面戦争でした。言葉では到底語りきれない激しい戦いの末、勝ったのは、モンスター達の方でした。月日は流れ新世紀になりました。そして、人々はあのメロディーを忘れていったのです…。』
人影。1話に出てきたホル。少女と向かい合い、手をとり時計をはめる。すると少女が起きる。脱げるセーラー服。
『迷宮島』 ・ 『黒船』 ・ 『出口という名の入り口』
●黒船を探しに迷宮島に来たボッカと小夜子。扉の先が危険だと分かり内部にはボッカひとりで入る、とそこは迷宮だった。ボッカはそこで過去の人であるケイとがねっこに出会う。さらにモンスターキングであるソロもボッカを試しに潜入していた。そして黒船と出会うが、黒船を連れ出せなかった。迷宮を彷徨っていたボッカを導いたのは小夜子であった。
●ボッカの迷宮。それは過去との決別であった。がねっこ、ケイが登場する。彼らに出会って、自分の目的を再確認するボッカであった。本来の建前である黒船は戻らなかったが、迷宮をさまようボッカ糸玉となったのは小夜子であった。小夜子に会いたいと思ってボッカは脱出できたのだ。海から手を伸ばす二人の顔がなんともいえなくいい。
第5部 迷宮島編(黄・黒) 第12話 『迷宮島』(白・黒)
夕日の海を渡る船、うしとら丸。このにおいはと聞くボッカに硫黄のにおいだ、小さいけど火山島だからなと船長に教えてもらう。また、研究員が週に3日その島に来るのだとか。船の中にはアイバーマシンと布をかけられた細長い箱。反応する小夜子の鎖。ボッカは言う「彼はあの島にいるんだから。」
巨大な月。月は昔大きかった、この島は太古に沈んだ島だ、だからでかいのさと言われる。避難所に細長い箱を運んでくる、2時間ほどで戻ってくるからな船長。
今は、と鎖のことを聞くボッカ。動いてないと小夜子、女の子って肝心なところではっきりしないんだからとボッカ。怒る小夜子、でもこの島にいるんだよねとボッカ。黒船さんがいるならモンスターもいるかもしれない。「モンスターユニオンといくら戦ってもきりがない。モンスターそのものと戦わなきゃ。」
島を回るアイバーマシン。もう2週目、火山の観測所や避難所なんてなかったよねと小夜子。また、まわったのに船がいなかったじゃん、置き去りにされたってこと、と声を上げる小夜子。するとボッカが何かに気付く。島の上に別のアイバーマシン。ジャガーの太陽号、黒船さんのアイバーマシンだ。ずいぶん長くほっとかれているようだ。すると、アイバーマシンが動き出し、島の一点をライトで指す。海岸に洞窟があった。入っていく二人をみているインコ。
内部にはエジプトの壁画みたいなものがある。牛と人が何かをしている。牛の腹の中に入った人もいる。牛同士が交尾していて、メス牛の中に人がいるのもある。「悪趣味だね。」と小夜子。
と、人影がある。ちゃんとした子供にしたんでしょうね、モンスターさまじきじきの命令なんですよとモンスターユニオンのエージェント。どうやらグローバル山猫のようだ。ちゃんとやってるよ先ほどの船長。すると船長の襟を掴み「まじめにやらないと、トラトラトラ、トラの穴に落とすよ。」とグローバル山猫。先ほどの箱が棺だと気付くボッカ。生贄を運んできたのだなとボッカはグローバル山猫に弓を向ける。するとグローバル山猫はロボット怪獣を召還する。トラ方のロボット怪獣。ボッカの放った矢をよけるロボット怪獣。
・巨大な月〜昔は月が地球にもっと近かった、それほどこの島は時空が混乱しているということらしい。
・黒船はいつから迷宮にいるか〜ボッカと2話で分かれてすぐに来て3、4ヶ月ぐらいいるらしい。
・壁画〜ミノタウロスの話オマージュらしい。そして「迷宮」、「怪物退治」、「鎖の腕輪」=「糸玉」と言ったものがあげられる。
(緑・白)忘却の旋律(緑・黒)
ボッカとグローバル山猫の戦い。決闘のように名乗りあう二人。「グローバルノイズキャノン!」とグローバル山猫が唱えると、アイバーマシンが一時止まるが、再び動き出す。逆さの状態で弓矢を放つボッカ。「新型さえ届いていれば。」と、猿人湾から届かなかったロボット怪獣を嘆き、水路を流されるグローバル山猫。
生贄の子供を運んでたんだなと、船長に弓を向けるボッカ。先端恐怖症なんだ、俺を撃ってどうすると、船長は慌てながらも先ほどの戦闘を見てボッカをすごいが、あの20世紀戦争で人間は負けたんだ、しかたないだろ、こうしないと俺達は生きていけない、負けたんだと言う。ボッカは「まだ負けてないさ。」と言い残す。
赤い、牛の顔が描かれた巨大な門。船長は中は迷宮だと言う。そして、強そうな奴が入っていったがそれっきりだとも言う。黒船さんだと確信するボッカたち。船長は船で行ってしまう。と、小夜子がボッカに向けて弓を引く。やめてくれ、先端恐怖症なんだ、僕を撃ってどうなる。と先ほどの船長の言葉を復唱するボッカ。「自分だけで行くつもりなんでしょ。」と小夜子。「あんたも黒船さんもいなくなって、ほんとに独りぼっちになっちゃうよ。」「メロスの戦士はいつもそう、忘却の旋律のことばかり考えている。」「忘却の旋律って女の子の姿をしているんでしょ。」「じゃあ、黒船さんのことは忘れて、僕と二人でどこかに暮らすか。」とボッカ。「僕は黒船さんじゃないよ。」「そうよ、あなたはぜんぜん違う。あなたは黒船さんとは全然違う。」弓をおろす小夜子。「私、どうすればいい。」小夜子の方に手をやるボッカ。「大丈夫、待ってて、僕はこの中のモンスターを倒してくる。そして黒船さんを連れてくるから。」小夜子は鎖の腕輪を外し、黒船さんの居場所を教えてくれるかもしれないと、渡す。受け取るボッカ。
ボッカはノブに手をやるが開かない。矢であけようとすると、自然と扉が開く。中には第1話で出てきた骨組み人形がたくさん倒れている。かなりやばそうだとボッカ。すると、アイバーマシンが道をふさぐ、ボッカは危険は承知だ、おまえは小夜子を守ってくれと言い進む。「戦士は戦っていれば満足なんでしょ。」「私と別れても、なんとも思わないんだね。」扉が閉まっていく。「君と別れたら、らくになれるよ。」「いつも狭いテントで一緒に寝てるの、地獄なんだから。」「ばか…。」何かを言っている小夜子。扉が完全に閉まる。
中では牛人とその周りに迷路が描かれている壁画、ミノタウロスだろう。別の壁画は棺を運びミノタウロスに納め、その中の人を食べる壁画。と、棺のレールと切れたレールの先には四角い穴。穴に向かって声をかけると、誰かが歌を歌っている(聞き取れないのが残念)。また声をかけると、おーいと返答、棺の中にいた子かと聞くとそうですと答える。名前はと聞くとソロと答える。ボッカは穴を滑り降りる。
★中は何も見えない。ボッカが何か触ると、「あっ、先生ボッカ君が今変なところ触りました。」と声がする。女性の後姿。「お待たせしました、やっとボッカ君が来たので、これより発車します。」目を見開くボッカ。ボッカがいたのは多くの生徒が乗っているバスの中だった。「発車オーライ。」バスの警笛が鳴る。
・船長〜モンスターに従うしかないと船長。やっぱり自身にそれなりに力がないと、従うしかないよね。ほかにも守るものとか。そう考えると少年は軽いものかもしれない。
●小夜子の鎖の腕輪を頼りにボッカと小夜子は迷宮島に来た。その島には、モンスターの生贄が運ばれているのであった。黒船をモンスターを見つけるため、内部へは一人で行くというボッカに小夜子はボッカは弓矢を向け心の内を話すが、それでもボッカは内部へと入って行く。棺の穴の先にソロと名乗る少年の声を聞いたボッカはその穴に入るが、穴の先に着いたのはバスの中であった。
●弓矢を向ける小夜子。彼女の本気さが伺えた。あと女性はいつも待ってる身なのか。そしてボッカが入ったはバスの中。そういう意味での迷宮と来るか。
『なら、僕がモンスターと戦います。この迷宮の外には、小夜子がいるんです。小夜子は、あなたが出てくるのを待っているんです。次回、「黒船」。鳴り響け、僕のメロス!』
「右手をご覧ください、一番短いのはどれでしょう?」とバスガイド。「親指!」とだれか。「おしい、私の右手で一番短いのは、生命線です。」ははははと沸き立つ周りの生徒。「早く座席についてください。」「あの、なんなんだ、これ…。」とボッカ。
第5部 迷宮島編(緑・黒) 第13話 『黒船』(白・黒)
〜迷宮島の内部に一人入ったボッカ。棺が通る穴に入ったボッカに待ち受けていたものは、にぎやかなバスであった。
「あなたにも思い出があるでしょ。気持ちのいいお天気。バスの中にいるのはみんな気の合ったすてきな友達ばかり。気になるあの子は、この旅行であなたに思いを告白する気配。毎日が充実して刺激的で、憧れの未来は約束されえいる。」とバスガイド。運転手はホルに似ている。
「次の信号で止まったとき、非常口を破って飛び出して。」傍らには男の子。ケイだ。とまった十字路の横断歩道にいるのはモンスターのたまころがしと犬。非常口を見ると、その先には棺。ボッカは非常口のノブを壊し、体当たりで非常口をでる。と、そこには洞窟で、穴がいくつかある。地面にあるのは人骨。するとどこからか歌が聞こえてくる。
「僕の歌を歌わない。」
「教えた歌を歌わない。」
「小鳥は歌う 小鳥の歌を。」
「そして みんなは聞き惚れた。」
付近にあった棺が開く。中からは少年。ソロだね助けに来たと言うボッカに、なぜ来たの、ここは迷宮だよと返すソロ。「例え誰でも、他人の夢の中で自分を保つことなんて出来るのかな。」とソロは言う。洞窟を進む二人。と、その先に閃光。そして、黒船が現れる。黒船の目の先にはホル。するとホルは姿を消し、牛の壁画に変化してしまった。黒船の元に駆け寄るボッカ。なぜここに来たという問いに対し、モンスターがいるから、そして自分はメロスの戦士だからだと答える。「そうか。」と答える黒船。ソロを見た黒船は、なぜこの少年は石にならないんだと言う、君はメロスの戦士?と聞くボッカ。違うと答えるソロ。黒船は言う、
「かつて20世紀戦争のとき、モンスターは最初、自分の姿を見せて人間を襲っていた。やつらを一目見ただけで、石や人形、あるいは動物にされていった。」
「そんな効果的な攻撃方法を、なぜ奴らは辞めたと思う。」
「奴らは気付いたんだ、自分達の姿を直接見せると、メロスの戦士を増やしてしまうことにな。」
「数万人か数十万人に一人、メロスの戦士の覚醒するものは確実にいる。そして、一人のメロスの戦士には、奴らを全滅させうる力がある。」「モンスターを見てどうにもならないのはメロスの戦士か、ヒューマノイドになるアイバーマシン、。」「それとも…。」ボッカがソロの腕をめくると聖痕が現れる。だがソロは自分がメロスの戦士だと認めない。
★「あっちからですね。」何かの音が聞こえてくる。と、周りの景色が変わる。ボッカたちは闘牛場にいた。誰もいないのに歓声。中には闘牛士の姿をした黒船。驚くボッカに「あれは過去の俺だ。」と黒船。と、足が生えたジープが出てくる。乗ってるのはホル。「これは昔にあった戦いだ、だから干渉は出来ない。」と黒船。何が起こっているんだというボッカに、この迷宮は時空が乱れており、かつて自分は何十年もここを彷徨ったと言う。鬼が島なのか、竜宮城なのかなとソロ。黒船とホルの戦い。どこから伸びているのか黒船の上には巨大な鉄球。そして、ホルを突き指す黒船。俺は一度奴を倒したが奴はここへ逃げた。死んだものもこの時空が乱れた中でなら生きられる、この迷宮にいる限り不死身かもしれないが、同時にこの迷宮から出られない。俺は奴をこの迷宮に封印したつもりだった。だが、奴は迷宮から外へ出た。そしてボッカの町に現れたわけだ。あいつを封印するにはこの迷宮で、永遠に戦い続けなければならないと黒船は言う。
あそこで戦っていたのが過去のあなたなら、今のあなただって本物か分からないですよね、それはどうやって確かめればいいのですかとソロ。「俺は本物だ、自分でそう思っているからそれでいい。」と黒船は答える。また、過去の自分はどれも本物だと言う。そして、また過去の黒船がいる。そして、彼の目の先にいたのは制服姿の小夜子であった。小夜子の繋がれていた鎖を射抜く黒船。そして、がけから落ちそうになる小夜子を助ける。小夜子も生贄に択ばれていた、しかもそれを択んだのは両親だと聞かされる。さらに、小夜子の兄はモンスターユニオンのエージェントだと聞かされる。
・横断歩道のたまころがし〜彼女はいつも信号機が後ろにある。今回はバスが止まったのでついでに彼女も出したと言うことらしい。
・ソロの歌〜この歌はソロ、そしてモンスターキングの本音を表している。そして小鳥とはメロスの戦士のことを言っているらしい。となると、歌を旋律、具体的には戦うと置き換えるのなら、「僕の歌を歌わない。」「教えた歌を歌わない。」「小鳥は歌う、小鳥の歌を。」「そして、みんなは聞きほれた。」とは、メロスの戦士はモンスターキングの言うことを聞かず、メロスの戦士は自ら生き、それに大衆は好意を持ち始めているということか。
・姿を消したモンスター〜日常的に見る悪は反感が起こりやすいということか。そして彼らは姿をけしてしまった、それにより人々は悪意を見ず、平和な日常に見えてしまう。それによって、抵抗するものたちを減らすのか。現代においてもありうることかもしれない。
・黒船とホルの戦闘シーン〜血を出さないホル。そこからコメンタリーで話に出たのが、モンスターは生き物ではないらしい。
・迷宮の演出〜移動した場所がおかしいなど、物理的に狂った演出が施されている。また、次第に牛の腹の中に入っていくような感じがある。
(青・黒)忘却の旋律(白・青)
巨大な月に照らされる迷宮島。小夜子は待っている。
別行動をしよう、自分はホルを追う、ボッカはその子と脱出しろと黒船。けどと言うボッカに、いっしょに戦ってほしいがこの生贄の少年を巻き込むことはないと黒船。なら黒船さんが脱出して小夜子とも会ってというが、黒船は言う「俺は関係ない。俺はメロスの戦士だからあの子を助けた。そして、戦士だからホルと戦う。それだけだ。」と言い残し、谷底へ落ちていった。
ここから出られるのは一人だけ、あの人は、自分だけが助かろうとしているんじゃないの、とソロ。何でそんなこと言うのボッカ。生贄の僕が一緒にいるんだから、モンスターと戦わされる可能性が高いよと言う。と、ホルの笑い声。よく気付いたなと言っている。すると棺が落ちてくる。中には何も入っていない。ホルがなんか言っていると、いつの間にかソロが棺の中に入れられ、棺も壁画になってしまう。と、ソロを抱えたホルの壁画が現れる。
★ボッカはひとつの穴の中を走る。と、階段がある。その階段を駆け上がるとそこには枕が二つあるベット。「右手をご覧ください、いけないことをしている指はどれでしょう。」「がねっこ…。」「早く座席についてください。」とがねっこ。君は生贄にならなかったとボッカ、「私はあなたの世界のエルじゃないのかもね。」「高校を出てバスガイドになったの。それでて、学校を辞めて町を出てったあなたを待っているの。」とがねっこ。「だから生命線がないのか。君は、僕の世界で生きている君じゃないから。」とボッカ。「私に生命線をちょうだい。ちょうだい。そしたら、いまここでお祝いしてあげる。」ボタンを取りつつ「お・い・わ・い。」と言うがねっこ。腕輪を取り出すボッカ。その腕輪は反応しない。
その場を立ち去ろうとするボッカ。「そっちに何があるの。どんな理由で道を選ぶの。」とがねっこ。
「ごめん。でも、君を選ぶなら最初からこの旅には出なかった。」
さよなら、がねっことボッカ。「がねっこって言うな。」と最後にがねっこ。
★暗闇。ボッカは手探りで進む。すると、ホルと思われる運転手しか乗っていない夜を走るバスの中にいる。そして、そこにはケイがいた。
・ソロ〜モンスターキングであるボッカはボッカを直接試すためにボッカに近づいているらしい。
・腕輪を取り出すボッカ〜自分は腕輪を取り出す行為を小夜子のようにボッカの感情ががねっこに行くかを試したかに思っていたが、そういう意味でなく小夜子のことを選ぶという意味からこうしたということらしい。
●バスにはケイがいた。ケイの支持のもとバスを脱出すると、そこにはソロがいた。そして黒船とも再開する。そこで3人は、ホルを倒す黒船と小夜子を助ける過去の黒船に遭遇する。そして、小夜子が過去に何があったかを聞かされる。黒船にこの迷宮を脱出しようと提案するも、ホルを封印するために永遠に戦い続けなければならないと言い、再び一人で戦いに行く。黒船は自分だけ助かろうとしてるのじゃないかと言うソロ。しかしソロはホルにつかまってしまう。再び迷宮をさまようボッカ。そこに現れたのはがねっこ。しかし、君を選ぶなら最初からこの旅には出なかったと言い放ち、その場を後にする。次に現れたのは再びバスで、そこにはケイが一人座っていた。
●狂った迷宮だらけな話。そしてソロ。彼はモンスターキングであり、ボッカを試しに来たらしい。そしてがねっこ再登場。なんともまあいいね。お祝いひさしぶり。あと男3人で行動はこのアニメ唯一じゃないかな。あ、アイバーマシンたちいれればそんなことないか。姿を消したモンスターの話。同じ悪でも見えるのと見えないのでは人の意識は大きく変わるということか。また、現場に居るのと聞くのでは大きく違うとも取れる。
『間抜けな君が戦っている間に、あのしたたかな黒船だけが外に出る。かわいそうに、君もうまく利用されたんだ。』『次回、「出口という名の入り口」。鳴り響け、僕のメロス!』
窓に流れる電灯の光。ケイは言う。「みんなは、家に帰っちゃったのかな。」「外は暗いね。」「今、何時くらいなのかな。」「この腕時計、もうずっと壊れたままなんだ。」「ケイ…。」とボッカ。「僕は、いつまでこの暗い道を走り続けるんだろう。」
第5部 迷宮島編(黄・黒) 第14話 『出口という名の入り口』(黒・白)
〜黒船とソロと別れてしまい、迷宮を彷徨うボッカ。目の前に現れたのは、ケイが乗るバスであった。
ほかに誰も座っていない座席。「あれからどうしてた。」いろいろ聞いてくるケイ。好きな子はできたとの質問に、「好きな子はいる、かな。」と答えるボッカ。大人の恋愛とかを体験すれば宝物とかいらなくなったかな、僕も宝物を捨てられるようになりたかったなとケイ。「どうして僕だったんだろう。誰でもよくて、たまたま僕だったのかな。」僕はこの迷宮から出られないとケイ。僕だっているかもしれないと言うボッカに、そんなことは許さないと言う。止まるバス。笑うホル。急に見ないでと言うケイ。ケイの周りが赤く染まる。またあいつの食道を彷徨うんだとケイが叫ぶ。ケイを見て汗をにじませるボッカ。と、ボッカの目の前には骨しかなくなってしまった。
「ケイ、僕が学校をやめてこの旅に出たのはね、君を食べたこいつが許せないからだ。」
ボッカの前にはホル。生贄の子は永遠に食べられ死ぬ続けるのだ。
ボッカは言う、「お前と戦うことで、二度と外に出られないとしても、僕はおまえと戦う。」と、ホルが壁画となり、そこが開く。そこは闘牛場の中であった。向こうから足のついたジープのホル。と、ボッカは観客席にいる何者かを見つける。未来は過去に干渉できないはずだ。つまり、やつは前の黒船とホルの戦いをボッカが見ていたことは知らないと考え付いたボッカは、それを踏まえホルに攻撃する。倒れるホル。と、彼が笛を吹くと、大量の変なバスガイドのロボットが現れる。鳴弦の技を発動するボッカ。すると、すべてのロボットがバラバラになる。ホルはその間に逃げていた。
トロッコに乗って逃げるホル。近くにトロッコ。と、向こうから黒船。俺が乗ると黒船。譲れないとボッカ。一本の矢で交互に撃ち合う2人。ボッカは黒船の矢を手で受けるも吹き飛ばされてしまう。「お前がモンスターキングを倒せ、生きていたらまた会おう。」と言い残し、黒船はトロッコで行ってしまう。
・観客席の何者〜これは後に出てくるアイバーマシンのエランヴィタールである。そして、彼の登場はボッカの未来の予感が生み出したことらしい。
(赤・黒)忘却の旋律(白・黒)
黒船がトロッコを乗り継いだ先には長い階段とその先にある大きな扉。扉を開けると、その先にいるホル。傷を負ったかと言う黒船に、ここは俺を祭るところだ、傷は癒えたと言うホル。黒船はお前らの生命力はうらやましいというが、そんなものは最初からないとホルは言う。
2人が見渡す先には巨大な木の根。ボッカは若いころのお前にそっくりだ、あいつは出られるのかなというホルに、俺は脱出した、それに糸玉を持っていると黒船。そして、お前はなぜ外に出れたという黒船に、迷宮の外とは何なのか気付いたとホル。そして「教えてやろう、迷宮の外にあるものそれは、本物の迷宮だ。」と言う。
ボッカは再び迷宮を彷徨う。と、入り口にあった赤と牛が描かれた門が現れる。だがノブを触ることが出来ない。入ってきたときの過去の幻影だ。
「私と別れても、なんとも思わないんだね。」
扉が閉まっていく。
「君と別れたら、らくになれるよ。」
「いつも狭いテントで一緒に寝てるの、地獄なんだから。」
「ばか、我慢しているのはあんただけじゃない。」
はっとするボッカ。すると、腕輪の鎖が一つの穴を指す。「小夜子…。」そう言ってボッカは走り出す。いつの間にか水が溢れている。そして、水に飲み込まれるボッカ。上にはまばゆい光。そこへ泳ぐボッカ。と、黒船のアイバーマシンが落ちていく。
朝日の空。海から顔を出したボッカの目の先にはうしとら丸。そっちに泳ぐと、小夜子が手を差し伸べる。手を掴むボッカ。涙ぐむ小夜子。
「本当に、ここがあの島のあった場所?」「だから、もともとあんな島なかったんだ、あれははるか昔に沈んだ島だったんだ。」と船長。「黒船さん、連れてこられなかった。今も迷宮の中で、モンスターと戦い続けてるんだ、あの人は。でも、全部消えちゃうのかな。」ボッカに抱きつく小夜子。「あなたも消えちゃったのかと思った。」泣く小夜子。小夜子を抱きしめるボッカ。
「あの島は太平洋のあちこちで見かけるって噂だ。モンスターの支配が始まってから、いろんなことが起こるようになったからな。」と船長。「モンスターキングって何者なんだろう。」
どこかの島。花園には多くの子供達。みんなとても楽しそうである。ギリシャの神殿を思わせる建物。そこを笛を持った少年が歩いている。近くを寝そべっているのはたまころがし。「ヘカテも帰ってきたのか。ミノタウロスは?」「まだ島で遊んでいるの。」島を見ると巨大な何か。「あれはタロスか。」「あんたこそ珍しいわね。」「ああ、このところ、モンスターキングに謁見してないからさ。」建物内には岩に抱きつく少女のモンスター。「ご機嫌だね。」と言う少女の言葉を聞くと、少年は笛を吹き歩き始める。
「僕の歌を歌わない。」
「教えた歌を歌わない。」
「小鳥は歌う 小鳥の歌を。」
「そして みんなは聞き惚れた。」
ソロが神殿を歩いている。「メデューサ、お楽しみかい。」「あなたもね、モンスターキング。」
建物の内部には大量のインコ。「チャイルドどらごんが、サイレンと作戦の内容を報告してきた。」とインコ。「お疲れさま。」とモンスターキング。「ユニオンをどうするかは、あいつの仕事しだいだな。」とインコ。
モンスターキングが来たのは忘却の旋律が囚われているところ。「冷たいほほだ。また、世界のどこかにいるメロスの戦士に、虚しく言葉を伝えようとしてたのかい。」モンスターキングが指揮棒を腕の聖痕にさらすと鍵になる。「本物の君がいるこの場所を、いったい誰がたどり着くのかな。」鍵を忘却の旋律の足の鎖に入れようとするモンスターキング。「ボッカセレナーデ。あの少年なら、期待できるかも。」忘却の旋律は何も言わない。
・モンスターについて〜モンスターとは人間の歪みが生み出したものらしい。
・「出口という名の入り口」〜ボッカは小夜子によって迷宮の出口を見つけた。だが小夜子を見つけたことは、新たな始まりとだということであろう。
●ケイの運命に驚愕するボッカ。そしてボッカはケイが食べられたのだから旅を始めたのだと再確認する。そして、ボッカは見事ホルに傷を負わす。追いかけようとするボッカだが黒船と争い、結局は黒船がホルの後を追うことになる。黒船とホルの戦いは終わらない。再び迷宮で迷うボッカは、この迷宮にはいてきたときの幻影に出会う。反応する鎖。小夜子を思い出すボッカ。そしてボッカは走り出す。その先にいたのは現実世界の小夜子であった。そして二人は抱きしめ合う。
●黒船を戻そうとするが、彼は帰ってこなかった。ホルと黒船はライバルなのか。果たして彼の決断、ホルとずっと戦い続けるのは英断なのか。わからないが、でてきてもいいんじゃないと軽く思うが。迷宮の出口。コメンタリーによると、迷宮とは、糸玉とは目的。目的がなければ出れない。そして、出ようと思ったときこそ出口である、と言っていた。なるほどとしか言いようがない。
『新聞に載るようなこんな大量誘拐なのになんか不自然だ。え、スカイブルー、君がこんな目にあうなんて。次回、「幸運河」。鳴り響け、僕のメロス!』