第7部 『東京駅編』


稲妻が光る夜空。改札ホーム。

『20世紀に大きな戦争がありました。それは、人間とモンスターとの全面戦争でした。言葉では到底語りきれない激しい戦いの末、勝ったのは、モンスター達の方でした。月日は流れ新世紀になりました。そして、人々はあのメロディーを忘れていったのです…。』

そこらじゅうに電流が走っている白球がある。セーラー服の少年が腰をかける。脇には猿人。


『東京駅』   ・   『二十世紀戦争』   ・   『太陽が君を呼んでいる』


●相変わらず態度が気に入らないボッカにほんとうのことを言って小夜子。そんな中モンスターユニオンのサイレント作戦が始動。それの作戦が成功すればすべてのアイバーマシンが停止する。だが、宇宙へ行けばもうもとの大地に戻れないかもしれない。それぞれの思いを秘め、ボッカ・遠音・ココは宇宙船マホロバを解放する。その最中、ボッカと小夜子は手紙で思いを告げ合う。そしてボッカは小夜子をおき、宇宙へ飛び立つ。

●ボッカは宇宙へいってしまうのか。急展開だ。そして、いままで共に旅していた二人がようやく本当に分かり合えたときが離れ離れ。うむそうか。また総理の立場も思うところがあった。彼は彼なりに人間のためにがんばっていたのだ。だがそれがボッカには見えない。人の血のにじむ努力も、立場が違うと分からない。悲しいことだ。





   第7部 東京駅編(ピンク・黒) 第18話『東京駅』(黒・白)


       


「マホラバを探せ。」ボッカの前に座り込んだ指名手配の密輸業者の彼はそう言った。アイバーマシンのテントに帰ってくるボッカ。小夜子が布団に横になっている。脇にはたたまれたボッカの布団。「マホラバって。」と小夜子。「世の中、難しいことばかりだな。」とボッカ。
いつも立ち退けという駅員が、今日は優しくしてくれたらしい。気があるんじゃないというボッカに、やけると小夜子。と、そこでボッカのが言ったのは「なんで僕が。」「73回。」小夜子は言う。キスした回数だそうだ。「あたしは何。」と小夜子。とボッカは小夜子を押し倒す。ゆれる燭台。「だんだん普通の男になってきた。困ったら、キスでごまかしゃいいと思ってるんでしょ。真剣に考えるのめんどくさいんでしょ。」と小夜子。「今日はキスだけじゃ済まさない。」(なにこの殺し文句)と、小夜子は涙を流す。 と、小夜子がいると聞いてきたのですがと女性が現れた。小夜子とその人はギャラリーに入る。女性は私立探偵だそうだ。黒船の紹介で世話になった人が、小夜子を探しを依頼したらしい。「ずっと待っているからいつでも帰ってきて。」との伝言であった。
近くで結婚式をしていた。ボッカのことを報告してもいいのかと言うと、いいと言う小夜子。探偵の女性にはおなかに子供がいるらしい。彼女は言う。

「若いときには前しか見えないけど、どういう大人が幸せになって、どういう大人が不幸になるか、時には周りをよく見て考えるのよ。」

改札ホームの椅子に座るボッカ。外は稲妻と雨。と、ボッカはそこらじゅうにある白球に気付く。「あの機械はね、電気羊って言うんだ。」いつのまにかボッカの脇に寝そべっているのはセーラー服の少年。その白球は電気系統の制御をしているらしい。白球に書いてあるイニシャルはダムガと言い、所有者の印らしい。昔遊牧民は自分の羊を見分けるために羊に印を描いた。少年は続ける。「今時は人間だって、みんなダムガは刻まれている。」「じゃあ君にも。」とボッカ。「よい羊飼いは、羊のために命をかけるってのはほんとかな。」と少年。ここはメロスの戦士がよく来ると少年は言う。君はと言うボッカにメロスの戦士はあこがれたが、学校を辞めるほどの理由は見つからなかった。だからただの学生だと言う。
何でこんなところで寝てるのと言うボッカに「寝てるんじゃない、死んでるんだ。生きていないってのが正確かな。」4番線に列車が通過する、白線(死線?)より下がってと言うアナウンス。「この私は、まだ生まれていないから、だから本当は、世界は死んでいる。」「死んでいるものが起き上がっていいの。」とボッカ。

「今、私は夢の中にいて、本当の自分は現実の世界で死んでいる。」

「この中央停車場も、その現実の世界では、もっとほかの名前で呼ばれている。そんな夢を見た。」メロスの戦士って言ってたけどと言うボッカに少年は「メロスの戦士はここに来てみんなだめになる。だめになって、環状線電車に乗り、永遠に同じところをぐるぐる回り続けるんだ。」と言う。
★電車の中。多くの猿人。みんなりんごを持っている。その中には遠音もいた。「君も、だめにならないといいけどね。」
テントのボッカの元に小夜子が帰ってくる。うちに帰ってこいって言われたという小夜子に沈黙してからあ、そうと言うボッカ。と、小夜子はここのホテルに泊まろうという。


・ギャラリー〜飾ってある絵は、「鼠講谷の涙のダム」・「ダムに手を入れたスカイブルー」・「弓を引く遠音」・「裸の遠音の後姿」
・ダムガ〜ダムガとはモンスターユニオンの刻印の名前でもある。
・「今、私は夢の中にいて、本当の自分は現実の世界で死んでいる。」など〜要するに今の自分はよく生きていない、つまらない。本当の自分が生きるべき世界はここではなく、別にあるということか。


(白・灰)忘却の旋律(灰・白)


ギャラリー。ココとスカイブルー。スカイブルーの絵を見て絵師は知り合いだったんだとココ。

「少年が手を入れている壁はダムだ。」

遠音は? もしかしたらまわってる?と聞くココに「僕はまたこの絵のころに逆戻りです。」とスカイブルー。(2人が長く一緒にいる時を見たことないんだが。)
ホテル。メイドに見とれるボッカ。かわいいメイドさんねと小夜子。そう。とボッカ。TVを付けるボッカ。総理が戦争について述べ、子供達を考えるやら言っている。小夜子は言う「こんな時代に子供なんて産んだら、なんかかわいそうな気がするね。どうやって育てたらいいかもわからない。」(鏡に映る小夜子が怖い。)「僕がやっているこの戦いは、戦争じゃないのかな。」とボッカ。
総理のリムジン。そこに現れるのはニック。総理を包囲するニックとクロンとヒカリ。あなたを拘束するとニック。
シャワーを浴びるボッカ。自分はだめな戦士だ、だめな戦士になるのかなと思う。付近に忘却の旋律。「あたしがうちに帰っても平気なの。」そこに小夜子。「あの74回はなんだったの。」「73だろ。」「あたしの事好き、それとも邪魔。」「君のことをそんなこと邪魔にしたとことなんて一度もないだろ、邪魔だなんて思ってないよ。」とボッカ。それと同時に「はっきり言って一度も言ってもらったとこがない、あなたが何考えているか全然分からない。」と小夜子。

「だって、僕はメロスの戦士なんだ。」

ボッカの言葉に小夜子は言葉を止める。「君の人生をさ、僕の戦いに巻き込みたく…」「えらそうに、」小夜子はボッカに掴みかかる。

「ほんとに好きなら、ずっと一緒にいてくれって言えばいいじゃない。2人でずっと旅していけばいいじゃない。私の人生の心配するふりしないでよ。」

電話が鳴る。「マホロバの秘密を教える。」とクロン。クロンは部屋に来てこのホテルを使わしてもらうと言う。いいよとボッカ。抗議する小夜子に、気付いて謝るボッカ。エンジン2が奪われた。またミトラノームにアクセスするつもりかなとボッカに、破壊するつもりだとクロン。アイバーマシンの反焼ドライブ用空間設定基地だ。破壊されるとアイバーマシンが飛べなくなる。そしてその作戦名をサイレント作戦と言う。マホラバとはと聞くとミトラノームのパーツのひとつで20世紀戦争のときに分離して中央停車場付近に不時着した宇宙船であり、回収されてこの近くに隠されているらしい。エンジン2を撃破するため、それを使って宇宙へ行く。そして、それがある場所を知る人物を拘束したとクロン。現れたのはニックとヒカリ、そして総理大臣であった。


・「73回だろ」〜小夜子が間違えたとは思えない。73回とはキスの回数だが、同時に愛された、もしくは小夜子の心がときめいた回数と考えられる。とするとボッカが「キスだけじゃ済まさない。」といったときの分を入れたんだと思う。


●東京駅で支援団体とコンタクトが取れないボッカはある男にマホラバを探せと言われる。小夜子の元には昔世話になった人からの使いが来て、いつでもかえってきていいと伝言を聞く。ボッカは少年に会い白球の玉とだめな戦士の末路である延々とまわり続ける電車のことを聞く。その中には遠音。ホテルに泊まる二人。ボッカの態度に耐えかねて小夜子は本音をぶちまける。それを止めた言葉は自分はメロスの戦士だから。とそこに現れたのはクロン。エンジン2が奪いミトラノームを破壊するサイレント作戦が進行中であり、それを阻止するためにマホラバを確保すると言う。その秘密を知るものとして捕まえたのは総理大臣であった。

●ボッカと小夜子、修羅場ですねぇ。にしてもボッカ、その台詞はないだろうと思わせる言葉を言いすぎ。また、脚本家の榎戸さんは使命と恋愛を両立できるかというテーマの元にこの作品作っているらしい。この問題は難しい問題だ。どちらかがある程度犠牲にならざるを得ないかもしれない。あと、ボッカと小夜子が同時に言い合うシーンで、ボッカは小夜子に悪いことは言っていないと言い、小夜子はボッカが何も言ってくれないと言う。うまく言えないことをボッカは言わないのが問題点か。あと私立探偵の女性はいい感じ。彼女の言う台詞は感慨深い。今回の話は今のところ前の話と似たような展開だが、どうなるか。



『今も子供達が生贄になってること知ってるのか。』『痛ましい事実だ、だからこそ彼らとの交渉は重要なんだ。』『次回、「二十世紀戦争」。鳴り響け、僕のメロス!』






東京駅。ホテル。総理はモンスターユニオンの会談する予定になっていた。現政府もその意向らしい。サイレント作戦を阻止すると聞いた総理は言う。無駄なことを、「世界はもう死んでいる。ここはすでに、死んだ世界なんだ。」

   第7部 東京駅編(ピンク・黒) 第19話『二十世紀戦争』(黒・白)


       


〜はっきりしてくれないボッカに苛立つ小夜子。と、そこに現れたのは総理を捕えたチェンタウロのメンバーであった。


「君達はまだ若い。だから理想とか一つの方法論で、世界を語れると思い込んでいるんだ。」「モンスターの存在を無視して、今どうやってこの国の平和を維持していこうと言うのかね。」「モンスターのために、今も多くの子供達が生贄になってること知ってるんですか。」とボッカ。反応する小夜子。。「痛ましい事実だよ。だからこそ彼らとの交渉は重要性は認識している。」「世間の意思も、マホロバを封印していくことも、その交渉のテーブルを用意するためには必要なカードなんだ。」と総理。
小さいバーにココとスカイブルー。いつも楽しそうですねと言うスカイブルー。「生きてることにすべてを楽しむの。」遠音もそうだったらと言うと、「こんなきれいなものを手に入れたら心穏やかじゃいられないんだよ。」とココ。
「メロスの戦士か。」「いまどきなんでそんな道を選ぶ。君たちの戦いにどんな希望があるんだ。」と総理。「なんであなたの世界は死んでしまったの。」と言う小夜子に「私の世界は…、娘と一緒に死んでしまった。」「あの子は、生きる希望だった。」と総理。「この国を預かる立場のあなたが、個人的な理由で世界を殺すなんて。」とボッカ。「あの時(二十世紀戦争)を生きていたものにとって、世界は死んでしまった。もう、個人的希望にすがるしか、生きる希望は失った。」
回想。学校。弓矢は不向きなんだと保健室のベットに横たわる若い総理。そこに女子。と、サイレンが鳴る。総理が保健室を出ようとする。「窓の外に立ってる!」と女子。窓を見た先は赤。と、女子がまたあの骨組み人形になってしまった。教室の生徒はみんな石像になっている。家族も石にされていた。総理は言う。「あれは戦いなどと言うものではなかった。それに気付かない愚かな者たちの抵抗が、さらに不必要な犠牲者を増やしたんだ。」「恐怖と言うものを私はこの目で見た。人間は、彼らモンスターには絶対に勝てない。」
「勝てないわけじゃない。勝ってはいけなかったんだ。あの、二十世紀戦争は。」とソロことモンスターキング。 ★あの時モンスターキングS二世であることに気付いていれば彼女はとソロ。気の毒をしたねとモンスターキングS二世。なんでモンスターは人々を石に変えると聞くソロ。

「彼らはもともと石だったんだ。ただ世界はそれに気付いただけ。」
なぜモンスターなんて生まれた、どこから来たとソロ。
「どこから来たのでもない、最初からいたんだ。石がもともと石でしかなかったように、彼らは最初からこの星にいた。そして、人間が人間社会を作ったとき。モンスターと分類されたに過ぎん。」

左手を平行に上げるモンスターキングS二世。鳩が腕に止まる。さらに体中に止まる鳩。「フラッシュ!」モンスターキングS二世は討たれる。
★ソロの後ろで幕が上がる。どこからか鐘。そして観客の拍手と喝采。鎖につながれた忘却の旋律は言う。

「始めてしまった!」
「君がどうしてここに。」
「世界中のモンスターたちが動きだした。もう抑えられない。」
「あなたがモンスターキングを殺したので、モンスターが暴れだした。」
「もうこれまでの世界は終わり。戦争が始まる。」
「あなたは始めた。」
「僕は、ただモンスターのいない世界にしたかっただけなんだ。」
あたりが赤く染まる。何かの声。
「モンスターは意思がないの。放っておけばただ人間を襲う。犠牲が増えるばかり。」
「どうすればいい。」
ソロのメロスの聖痕が光る。そこに矢をかざすと、鍵に変化する。忘却の旋律には鎖でつながれており、鍵穴もある。
「これは、君の、」
「解放すればモンスターはすべて滅ぼせる。でもモンスターをすべて滅ぼせば、世界はみな、彼らのようになってしまう。」
「彼ら?」
ソロと忘却の旋律の劇を観客席で見るのは大量の猿人。
「彼らはこの舞台を理解できない。喜ばない。拍手もしない。」
「それが嫌なら。もう一度モンスターたちを支配するしかない。」
「だって、モンスターキングは殺してしまったのに。誰が、どうやって。」
そこにインコが飛んでくる。

今の彼の元にもインコ。「そろそろ、エレクトリックしーぷに連絡しますか。モンスターキングS三世様。」うなずくソロ。「戦争が終わっても、結局、君は失われたままだ。」

「そして人々は、あのメロディーを忘れていった。」


・ボッカの立場と総理の立場〜生贄を許せない立場と、国を預かるものとして被害を最小限にする総理。今与えられたものが血のにじむ努力のものであっても、立場が違えば何も見えないか。
・総理〜彼は弓矢を打つことさえも放棄していた。彼はボッカのような人ではなかった。
・「あの時(二十世紀戦争)を生きていたものにとって、世界は死んでしまった。…」〜第二次世界大戦を行きぬいた人は、戦争が終わったらそう思っただろうな。だがその人が実際に今をどう感じているかはその人しか分からない。
・討たれる前のモンスターキングと忘却の旋律登場〜人間はもともと石であった。つまりは人間はもともと歪んだ面を持っていたということと考えられそう。そして討ったことでモンスターの制御がきかなくなる。制御されていただけまだましか。ボッカがここで総理を悪者とし討った場合も同じことが考えられるな。わからないが、前のモンスターキングはこれでも被害を最小限にしようとしていたのかもしれない。また後に考察したい。
・猿人である観客〜この劇を理解できないというが、じゃあ最初に拍手喝采していたのは誰だ?
・鳩〜モンスターキングが倒され飛び立つ鳩は、統制が取れなくなったモンスター、拍手喝采はモンスターが騒ぎ始めたことことか、それなら説明がつくかもしれない。


(緑・黒)忘却の旋律(白・緑)


街。駅には白球。バー。「けど、あなたを手に入れた遠音は、むしろかわいそうね。」「時間だけは誰に求められないでしょ。」とココ。「今この私は夢の中にいて、本当の自分は、現実の世界で死んでいる。」そこにいたのは少年。いらっしゃいませ幼生(?ようせい)様、とバー店長。「かわいいね。せめて君のような子と出会えるのが、慰めだ。」この私と仲良くしない、とココの手の上に自分の手を乗せる。するとココは少年を平手打ち。痛いなと少年。

「そりゃ痛いよ、生きてるんだから。」

「電気羊が一匹、電気羊が二匹、電気羊が…。」両脇の白球を数える少年。その元にインコ。名誉駅長を殴るやつがいるのかとインコ。指令かと言う少年に秘密通信と言う。(またかよ。)チャイルドどらごんからだそうだ。やあエレクトリックしーぷと彼は言う。エンジン2はどうと聞く少年に、いまからこの船の名前はコドモオオトカゲだと言う。彼の元にはディスカウントうりぼう。「サイレント作戦開始だな。」と言う。だが何で総理を中央停車場に呼んだんだと聞く。彼は笑い答えない。
ニックらに合流するココとスカイブルー。怪しい場所が見つかったが開かないとニック。じゃあやるか、「チェンタウロアタック!」(ジェットストリームアタックでもはじめるのかと思った)とココ。中には大量の電気羊。電撃。アイバーマシンは平気でもココは食らってしまう。
娘はおもちゃ売り場で誘拐されたと聞き気付くボッカ。とその時、窓の外で壁を破壊してニックと電気羊。ボッカは鳴弦を発動。だが小夜子の元にSP。連れて行かれそうになる小夜子に、その子はいいと総理。最後にこの戦いはいつもで続くのかと小夜子。やつらの支配は全世界におよび、私が彼のように戦えば隣の国からミサイルが来るかもしれない、私達はやつらに飼われている、今はそんな時代だと総理。
「よい羊飼いは、羊のために命をかけるだってさ。」とインコ。「所詮羊は食べるために飼ってる。」とソロ。そしてソロはSPを操作し、銃声。


・「よい羊飼いは、羊のために命をかけるだってさ。」「所詮羊は食べるために飼ってる。」〜なるほど、総理は羊飼いか。羊飼いは羊を食べるために飼っているのは正しいが、民衆は羊じゃないよ。



●総理を捕らえたボッカら。戦っていないように見える総理をボッカは非難する。しかし総理には総理の立場があった。モンスターキングことソロは前のモンスターキングを討ったときのことを思い出す。そして討った代償を知り、彼はモンスターキングとなった。ココやニックらは怪しい場所を見つけるが、そこにいたのは大量の電気羊。そして総理は脱出するが…。

●モンスターキングを倒したソロ、しかし彼はその代償を知り新たなモンスターキングとなるか。メロスの戦士が倒さなきゃならないのはなんなんだろうな。そしてもうひとつのテーマは権力者の立場。彼らは民衆を統治する代わりに犠牲を最小限する、それは正しくないように見えてもそれが実際に問答無用で力を振るわなくてはならない彼らの出来る最善か。だがそれも立場が違えば何も見えない、それがボッカら民衆か。現実の政権も馬鹿にできない。また羊飼いの例えもとても面白い。



『もうすぐ一年になるね、僕らが出会ってからさ。』『あんたのことなんて待ってるわけないだろ。さっさと宇宙へ行っちまえ!』『次回、「太陽が君を呼んでいる」。鳴り響け、僕のメロス!』






ベランダに座るモンスターキング。ボッカたちは電気羊と戦っている。と、銃を向られる総理。そして撃たれてしまう。総理の元にココを呼ぶボッカ。総理はココと聖痕をみて、そして言う、マホロバは地下にある。廃棄処分されるアイバーマシンの部品で回収された。だが電気羊たちがエネルギーを食って封印している。それを操るロボット怪獣を倒せば動かせると言う。だが二度とこの大地には戻ってこない風にと言う。

「私も、私の立場で人々を守ってきたつもりだ。」

と総理は言い目を閉じる。

「それは僕も同じだ。」柱の影で言うソロ。

   第7部 東京駅編(ピンク・黒) 第20話『太陽が君を呼んでいる』(黒・白)


       


〜マホロバを求め怪しい場所を見つけた先にいたのは電気羊だった。ボッカも出たその隙をつかれ総理は脱出するが…。


宇宙食といって夜のデパートから大量の品物を持ち出すココ。アイスをなめるココと空けられていないジュースの缶を手にしているヒカリ。生きて帰ってくる、ヒカリに乗ってでもと言うココに、アイバーマシンで大地に買える場合、高域空間に干渉する。平行世界に次元移動する危険もある。大地に来ても、今ではないかもしれないとヒカリ。するとココは辺り走り出し、「だから一緒に行くの。」と言う。ああと答えるヒカリ。にゃ〜んとココ。
「お嬢さん。すこしいいかな。」と遠音の隣に座る猿の仮面とは違う仮面の男。彼の持っている食べかけのりんごを見て、そのりんご食べられるのと遠音。「だって、食べなきゃもったえないよ。」と男。ほかのみんなは食べてないと遠音。お嬢さんはどうするのかなと男。ずいぶん前から乗っている、乗ってきたときから気になってると男。「大事なものをずっと持ってたら、あたしがだめになっちゃいそうでさ。どうしようもないの。」と遠音。男は言う「大丈夫、あなたはもう答えに気付いている。」

「例えばこのりんごだ。食べてしまえばなくなる。食べずに残しておいたって、結局は腐ってなくなってしまう。だったらおいしいときに食べるのが一番だ。」

その仮面、自分で作ったのと遠音。よく似てるだろうと男。彼は支援組織の依頼でこの環状線を調べに来たんて、ここの猿人たちはメロスの戦士とか言われているけどみんな偽者だった、君以外はねと言う。(遠音がばかみたい。)立ち上がる遠音。ギャラリー見たわ大成功ねと遠音。売れっ子の天才アーティストだからと絵市は言った。電車を降りる遠音。ホームにスカイブルー。差し出される弓をとる遠音。「まっすぐな瞳の前で、言葉はあまりに拙い。あたしは馬鹿だ。あなたの輝きが、消えることはないのに。」「あなたを飛ばないスカイブルーにはしない。あなたの翼のために行く。」
バスタオルの小夜子の部屋に入ってくるボッカ。小夜子をみてごめんと言うボッカに何がと小夜子。部屋に入るボッカ。着替え中は背中を向ける。撃ったSPは連行されていったとボッカに、ボッカは大丈夫なのと小夜子。警察はもう僕を捕まえられないよとボッカ。そして、もう出会ってから1年になるねとボッカ。なに思い出ばなしはじめてんのよと小夜子。僕は行くよとボッカ。いつ帰ってくるのと言う小夜子にボッカは答えず、帰ってきたら結婚しようかと言う。「もし戻ってこれたら、一番に君に会いに行く、でも、もし戻れなかったら、そのときは…、そのときは…、」「あんたのことなんて、あんたのことなんて、待ってることわけないだろ。あんたなんかさっさと、さっさと宇宙へ行っちまえ!」叫び小夜子は走り出す。
エレクトリックしーぷに通信。総理をやったのまずかったな、情報がもれたかもしれん、A級指令だ、(A級と聞くと必ずA級戦犯を思い出してしまう)今そこにいるメロスの戦士はすべて抹殺しろとチャイルドどらごん。


・ココとニック〜自分が思い立ったことをここに書くのは無理だ。
・電車の乗員〜偽者だそうだ。本当の意味でそうなのかな。それとも素質があったがそれほどではなかったか。だが絵市の口調からすると本当の意味でに聞こえるが。彼らとはやはり一般的なサラリーマンを意味しているのかな。


(ピンク・黒)忘却の旋律(ピンク・白)


集合した小夜子以外の一同。僕も行くとボッカ。部屋に行ったボッカは小夜子の置手紙をみつける。そして、ココらの目の前には本当に巨大な変な羊の顔をした浮遊物体。それを取り巻く大量の電気羊。電気羊が飛んでくる。アイバーマシンに乗り込むココと遠音。ボッカはアイバーマシン乗る。そしてあるところに弓を放つ。そして合流するボッカ。さまざまな攻撃をするが、どの攻撃もロボット怪獣の周りを回るリングの前にふさがれる。「死んだ世界にいることを思い知れ。」と少年。
小夜子の手紙。小夜子はボッカの修行中でもいつも身近に感じていた。「ボッカは私が見つけたあたしの居場所だった。」だからボッカが前からいなくなっちゃうことがすごく怖かった。あたしはボッカが好きです。足まとになるのはわかってるけど、ずっと一緒に行きたかった。でもボッカはメロスの戦士だから。探偵を使って自分を探していた人は黒船さんの奥さんで、なぜか黒船さんは歳を取らず、彼女はおばあさんになったと気付いた。そのとき私は少し喜んだ、それなら私のことを選んでくれたもしれないと思って家をでた。そして、ボッカに出会った。

「私はずっと思ってた、ボッカは太陽の世界に住んでる男の子なんだって。」

最初はからかってメッキがはがれると思っていたけど、ボッカの輝きは本物だった。帰ったら結婚しようと言ったのは本当にうれしかった、だからひとつお願いがある、旅立つ前にうそでも真似事でもいいから結婚式をあげよう。ホテルの式場でずっとまってるから。
ボッカが放った手紙付の矢に気付く小夜子。ボッカの手紙。「君がいたからがんばれた。」全部君のおかげだ。僕は君と一緒になりたいと思っている。だけどもう、僕はこの大地を離れる。君と過ごした思い出があるから、宇宙へ行っても一人で戦える。

「僕は知っている、きみこそ、太陽の世界の女の子なんだ。」

3方から同時に攻撃するボッカら。そのうちの一矢がロボット怪獣を仕留める。同時に太陽が昇る。駅に最低限の運転席と床しかない電車。ホームに下りるボッカら。それを見る忘却の旋律。と、忘却の旋律は消え、小夜子がそこに来る。目が合う二人。それを見ているインコ。何も言わず、ボッカは敬礼する。続くココと遠音。発車する電車。そして、巨大なマホラバは空を翔る。腕が引きずられるように、小夜子の腕輪の鎖はボッカを指す。『ボッカッー。』


・小夜子がお世話になった人〜黒船だけだ歳をとらず、彼女だけが歳をとる。「年寄りのメロスの戦士を見たことがない…」のはそのせいか。深い設定は分からないが、目標を持ち続けているものは若いということか。
・総理と少年〜この二人は似ている。二人ともモンスターがいても学生を辞めるほどの理由を見出せなかったのだ。総理は現状の世界をいったん認め、そこから被害を最小限にすることに努めた。だが少年は世界を認め、有利な統治側に加わった。少年は世界を認めすぎていたのかもしれない。二人は良い羊飼いと悪い羊飼い。人間は羊ではないが。
・りんご〜回り続ける人が食べずに持っているもの。それは出来るのにやらないと残る、やらないと価値がないものということか。 ・絵市の例え〜いずれ廃れるならうまいときこそ食うと絵市。だがその例えはいずれ食われるなら命を賭けない羊飼いの話とつながらないか。まああくまで人間は羊ではないが。
・敬礼〜相手に敬意をしめすと言う意味だが。言葉で行って来ますというのではなく、体で表したということか。
・「太陽が君を呼んでいる」〜いい題名だ。世界を照らす太陽。ボッカがそうであるようにまた小夜子も太陽の世界の子なんだろうな。太陽がある限り総理や少年が言う死んだ世界ではない。



●総理はメロスの戦士のココが自分の娘だと知り、そしてマホロバの秘密を言い残し死ぬ。そしてメロスの戦士3人はそれぞれの思いを秘め大地を離れることを決意する。そして小夜子は手紙でボッカにすべての思いを伝える、結婚式をあげようと。ボッカはその場へ行かない、しかし思いを綴った手紙を残す。マホロバを発進させる鍵となるロボット怪獣を倒すメロスの戦士。そしてボッカは小夜子が見送るもと、マホロバで宇宙へ発進するのであった。

●ボッカと小夜子の交流、ああ傑作だな〜、ため息が出てしまった。おかげでココの再会が印象の薄い結果に…。あとまた絵市が出てくるとは。そしてボッカと小夜子。ようやく分かり合えたときは離れ離れ。だがこうゆうことがないとここまで分かり合えないものだ。偉業やらすごいことなんて、当事者にとっては土壇場じゃないと出来ないものだ。あと小夜子連れて行っちゃだめなのかな。



『船自体が非武装でも、戦闘力はあるでしょ。』『制限時間は最大37分33秒。』『あいつは、あたしにまかせて。』『次回、「圏外圏」。鳴り響け、僕のメロス!』